試験ドット解答速報センター       
〜行政書士 平成21年度 試験過去問編〜

                                                 by Deerbell

ホーム>>資格の種類>>行政書士>>行政書士試験 過去問>>問60




平成21年度 行政書士試験 過去問 問60

問59の答え:5



問題60 次のア〜オの記述は、枠内で示されている「土木」について、「現場での連帯の必要性」を述べている部分を五つに分けたものである。五つのうち一番目はアであるが、残りの四つの順序として正しいものはどれか。

私の専門である土木が対象とする橋や道路、運河やダムなどの公共構造物・施設は、大地に根ざす存在です。それらは自然と一体になって新たな「風景」を形成します。さらには、長寿命であるがゆえに、建設された時代を超えて、歴史的環境として後世に受け継がれていきます。

ア、そうした仕事をしていて、最近、私がとくに感じることは、今の時代に必要なことは「個から連帯へ」ということではないか、ということです。つまり、個々人が、個々の専門領域、個々の倫理でバラバラに動くのではなく、物事をトータルに捉え、全体を見渡す視点を持って行動することが、極めて重要になってきていると感じています。
イ、しかし、問題は、各々の専門が「村社会」をつくってしまっており、村相互の連帯がなくバラバラになってしまっていること。そして、一度、計画が決められると、個々の専門性が高いため、お互いが協力することはあまりなく、各自が自分たちの「村の論理」で働いてしまっていることです。
ウ、「個から連帯へ」ということの必要性を強く意識するようになったのは、現場で複数の専門家・エンジニアたちと実際に計画・設計・工事を行なうことが多くなったからです。プロジェクトが大きくなればなるほど、個々の専門家の役割は細分化され、専門毎に仕事が分割されていきます。完成すれば一つの風景を形成するものであるにもかかわらず、各々の仕事は分断されているのです。
エ、もちろん、一人ひとりは自分の村の倫理に従って、一生懸命努力しています。けっして間違ったことをしているわけではない。 しかし、一人ひとりが努力をすればするほど、結果として、目の前には一体感のないバラバラな風景ができあがってしまう…。
これでは、全体として調和のとれた「いい風景」をつくることはできません。また、それに携わる人たちが、将来にわたってその風景に対して責任を持とう、という意識も生まれてこないでしょう。
オ、たとえば、橋が架かるところには川もあるし、周囲には家もあります河川敷には公園もあるでしょう。 ところが実際の現場では、橋は「橋の専門家」、川は「河川の専門家」、建物は「建築家」、公園は「造園家」…、と専門分野毎に分かれて仕事をしているのです。
もちろん、それぞれに高度な技術や専門知識というものが必要とされますから必然的に分かれているわけですし、また、その方が個々には効率的に仕事を進めることができるという面はあるでしょう。
(出典 篠原修「百年後に残る風景をつくる」より)

1 イウオエ
2 ウエイオ
3 ウオイエ
4 エイウオ
5 オエイウ





問60の答え:3



行政書士 過去問へ戻る

行政書士へ戻る

 【免責】当サイトの利用にあたり、いかなる損害の発生、期待する効果が得られない場合も一切その責任を負いません。自己責任において判断し行動して下さい。
 Copyright (c) Deerbell Eiji Asano All Rights Reserved